機動戦士ガンダム 水星の魔女の主役機 HGガンダムエアリアルの制作日誌第3回目
今回は胴体の制作です。
クリアパーツを除いた胸部、腹部を構成するパーツです。クリアパーツは後程。
綺麗なブルーの成形色が目を引きます。パーツ数も多く、細かく色分けされています。肩の基部が胴体側にボールジョイント接続になっていて可動範囲は狭いですが、肩の基部が上下左右に引き出し式の関節に近い形で可動します。微々たる可動ですが、ポージングの際には自由度がかなり広がる優れた構造です。
腹部は腰部と軸接続でロールし、胸部側とはボールジョイント接続でここもまた広い可動域を実現しています。首も胸部、頭部とそれぞれにボールジョイント接続です。
曲面と平面が複雑に配置された情報量の多いパーツが多く、ここはキットのもともとのディテールを深くシャープに彫りなおす事に重点を置きながらも、所々に点在する平面部分の面出しを丁寧に行い、曲面部分の面出しと共に平面と曲面の境界に存在するC面を含めたエッジをしっかりと出すという事を念頭に作業を進めます。
まずは黄色いダクトモールドのあるパーツから着手します。”青いボディーに黄色いダクト”というガンダムと名の付く機体にほぼ採用されているガンダムの記号とも呼べる部分で、総じてダクトフィンのシャープ化というのが効果を上げる部分です。
フィンの面積はあまり大きくなく、このパーツで完成後に見える部分は中央と左右のダクトモールドと襟を含めた一部分のみです。襟の部分やダクトフィンは胸部では少ない平面が主体な部分なのでしっかりと面を出して、フィンに至っては段差をしっかりと彫りこんで完成後にスミ入れが映える様に加工していきます。
加工を終えた画像です。襟部分はピントが甘いですが、しっかりと面を出す事でエッジを際立たせました。ダクトフィンは一段ずつ丁寧に面出しした後にダクトの奥方向に向かって0.15㎜のタガネで深く彫りこんでいます。加工前と比べてダクトのモールドがハッキリしたのがわかると思います。
続いて腹部の外装部分です。複雑な形状のガンダムエアリアルの胴体部分でも唯一の白い部分なので完成後も目立つ部分です。ここも丁寧に面出しとモールドの彫り直しを行います。
画像は加工前と加工後を並べていますが、パーツの向きとしては手前側が上側になる向きです。あえて上下逆に撮影しているのはこの腹部の装甲が多重構成になっている様にモールドを装甲と装甲の隙間に深く彫りなおしたところが見えるようにしたのですが、この様にモールドを彫る際にどの様な角度で彫るかで印象が全く変わってきます。
ここをパーツと垂直方向に彫り込んだ場合は単なる段差という解釈になりますが、別にどちらが正解という事もなく自分の好みで良いと思います。
腹部を挟みこむ形で脇の下から背面まで続く装甲部分です。ここも先ほどの腹部装甲と同じく段差部分を彫り込む際に装甲に対して垂直に彫るのか、水平方向に彫るのかで印象が変わってきます。ここも装甲の上に装甲が重なっているという独自解釈で段差に対して水平方向でモールドを入れました。
背面は比較的平面が多い構成ですが、脇の下部分は曲面でありながら中央にわずかにエッジが立っているという複雑な面構成です。中央のエッジをもう少しはっきりする様に意識しながら曲面の面出しを行いました。
黄色い襟部分から繋がり首回りを囲む襟のパーツです。襟部分のC面を崩さない様に丁寧に表面処理を行い、襟の付け根部分をここは胸部と直角方向にモールドを彫りました。襟のパーツが胸部に埋まっている様に見える方向です。
首のパーツです。胸部側にボールジョイント接続で頭部もボールジョイント接続の二重関節構造です。グレーの成形色のパーツには肉抜き穴がありますが、白い外装パーツで見えなくなる部分なので特に処理する必要はありません。グレーのパーツは露出する正面にモールドがあるのでその部分の彫り直しと白い外装パーツも表面処理とキットのスジボリを深く彫りなおしています。
この様な感じでそれ以外の胸部のパーツも処理していきました。
腹部のパーツです。一見ただのジョイントパーツの様に見えますが、正面には装甲が付くものの背面はそのまま露出するので手を抜かずしっかりと表面処理をします。
今回のHGエアリアルは第1回のキット紹介の記事にも書きましたが、ガンダムエアリアルという機体についてのイメージがまだ無さすぎる事もあり私的にどうも違和感を感じている部分があります。キットのままでも十分にカッコイイのですがプロポーションについて少々変更してみようと思います。
具体的には腕が長く感じるというのが一番大きいのですが、この腕が長く感じるという事の原因としては腕を下した状態でコブシの位置が太腿の半分よりも少し下くらいまで来る事にある様に思いました。
そこでこのコブシの位置を太腿に対して上げる為に手を加えようと思います。改修プランとしてはまずは腕の短縮、そして足の延長となるのですが、それぞれ単体でのバランスをあまり壊したくないので延長、短縮共に1~2㎜を考えています。
仮に延長、短縮を両方2㎜行った場合、太腿に対してのコブシの位置は4㎜上がる計算ですが、それでももう少し上げたい感じなので胴体ごと1㎜カサ上げします。
まずは1㎜厚のプラ板を適当に切り出して、キットの軸の径を測ってみたところ4.8㎜でしたので、同じ径の穴をプラ板に開けます。
プラ板の穴にキットの軸を通して接着します。
余分なプラ板を切り取り、表面を処理して完了です。これで腰との接続部分で胴体を1㎜延長する事が出来ます。
胴体部分の制作で使用するクリアパーツです。胸部前面に装着するシェルユニットのクリアパーツはパーツの中にモールドが入っているインモールド成形のパーツと通常のクリアパーツにダブルサイドシールを貼るパターンの2種類が同梱されていて選択式となっています。
完成後も分解して組み替える事が出来るのでダブルサイドシールの方はシェルユニットの消灯状態にしたりも出来ますが、この胸部のパーツ以外はスペアも無く、特に脚部太腿のクリアパーツは完成後に組み替えはかなり手間ですし、今回は太腿の合わせ目を消すために接着してしまう予定なので完成後に組み替える事が事実上出来ない事を考えるとインモールド成形のパーツを使うのが良いかなと考えていますが、一応ダブルサイドシールの方も制作します。
画像でランナーから切り離してあるのはバックパックに装着するパーツですが、それ以外のパーツはランナーから切り離していません。切り離したパーツ以外はパーツの構造上ゲート後が組み込み後には見えなくなるので完成ギリギリまでランナーに着けたままにします。これはパーツが傷つくのを極力さける目的です。
ランナーに付いたままでも加工が可能な状態なので、このクリアパーツもwaveのヤスリスティックフィニッシュで磨きます。パーツの上に写っているのがヤスリスティックフィニッシュです。
両面が目の細かいヤスリになっていて色がついている方でパーツ表面を均してから白い面で磨くと綺麗になります。
ダブルサイドシール用のパーツとインモールド成形のパーツのそれぞれ右側だけ磨いてみた画像です。画像でも右側のパーツのライトの反射や艶、透明感が上がっているのが分かる状態にまで変わりますが、実物を肉眼で見た時はより効果を感じます。
waveのヤスリスティックは大と細の2種類が販売されていますが、ガンプラもわりとクリアパーツを使うキットが多いですし、塗装をせずに成型色で仕上げる場合などはパーツ表面を磨いたりするのにも使えて便利なツールです。大は2本入り、細は10本入りで価格も安いので、一つもっていると重宝すると思うのでオススメです。
インモールド成形のパーツは他のクリアパーツと異なりABS樹脂なので、念のためランナー部分でテストしてから問題が無い事を確認後に磨いています。
説明書では別の工程で組み立てるバックパックですが、今回はこのタイミングで一緒に処理してしまいます。パーツ数は最小限で色分けされており、ビームサーベルのグリップも脱着が可能です。
ここも丁寧に表面処理を施し、キットのモールドを深くシャープに彫りなおしました。特にビームサーベルのグリップは側面に目立つパーティングラインが一周走っているのですが、その側面が正面を向く位置でセットする形になるのでしっかりと処理したい部分です。
今回はここまでです。頭部、胴体と進めてきましたが、このHGエアリアルのキットは最終的に塗装というのを考えるとこの段階で組み上げられる部分が全くなく、ただ淡々とパーツ毎に表面処理をしていくだけという地味な作業が続きます。逆に言うと合わせ目が全くないという事で、それはそれで素晴らしいですね。
次回は腕部の制作です。
お楽しみに!
ライタープロフィール
- ファーストガンダムを幼少期にリアルタイムで視聴してきた世代のガンプラ好き趣味モデラー。
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