エントリーグレードRX-93νガンダムの制作日誌第10回目、基本工作を終えてやっと塗装の工程まで来ました。
今回のEG νガンダムはディテール多めというコンセプトで制作してきましたが、塗装の工程でも最近のRG等では当たり前になりつつあるパネルラインごとの色分けを白いパーツを中心に進めて行きます。
EGにしてはこれまでのRX-78-2ガンダムやストライクガンダムに比べてパーツ数が若干多いのに加えてHGUCからフィン・ファンネルとニュー・ハイパー・バズーカ、ハンドパーツをコンバートしている関係で塗装しなければならないパーツがとても多いです。
そこで今回は塗装工程を少し簡略化していきます。
下地塗装のサーフェイサーを塗装色によって使い分けて行きます。サフの色変えの手間は増えますが結果的に本塗装の手数が減るという算段です。
一番左はピンクサフで赤や黄色に塗装するパーツの下地に使用します。赤や黄色は発色させるのが難しいカラーで、通常であればグレーサフから一旦ホワイトを塗装して、さらにピンクを下地として塗装するのが理想ですが、その工程をピンクサフ一発でクリアできます。
中央は普通のグレーのサーフェイサーです。ほとんどのパーツをこのサフで塗装する事になります。
そして右にあるのが中央のグレーサフをベースにジャーマングレー等を加えたオリジナルサーフェイサーです。RLM02グレーやRLM66ブラックグレーも入っていますが、なかなか私の思う色にならずに1500番のブラックサーフェイサーも少々足したりと行き当たりばったりで調色した為にレシピ不明ですが、塗料はどんな色でも複数調色していくと最終的にグレーになってしまいますので余っている塗料を片っ端から混ぜて「ベースグレーを作る」というのに近いですが主成分がグレーサフという感じです。このオリジナルサフを関節やフレーム部分に使用して下地兼本塗装としてサフ地仕上げで行きます。
それぞれのサフの色を見てみましょう。
まずは普通のグレーサフをシールドに塗装した画像です。
簡略化を考えると白が多いガンダム系の機体を塗装する場合はホワイトサフを使うという手もありますが、サーフェイサーの本来の役目であるキズ消しは良いとしても消えていないキズの視認性を上げるという事がグレー以外のサフでは難しいので、ここは妥協せずにグレーサフを使いました。
白の塗装は恐らく色の中で一番難易度が高く、綺麗に発色させるのが難しいので複数回塗り重ねる必要を考えるとホワイトサフを使うとかあるいは成型色のままサフレスという手段もありますが、もはやグレーサフは私の中でルーチンと化しているのが大きいです。
続いてピンクサフです。
νガンダムは赤いパーツが少ない代わりに黄色が多い機体です。赤はともかく黄色の塗装も難しい色です。発色しにくいというのが理由ですが、このピンクサフを下地にすると比較的ラクになります。画像を見てもらうとわかりますが、非常に綺麗な色でこのままシャア専用ザクなんか塗装してもイイんじゃないかと思える位に良い色です。しかしキズの発見のし易さや隠ぺい力はグレーサフには劣ります。ピンクなんで赤系の色はとても綺麗に塗れますが黄色に関しては白を下地に黄色を塗装したものと比べると若干色味が変わるので注意が必要です。
そしてオリジナルグレーサフです。画像左にあるのはシールド裏のビームキャノンですが、実はこのパーツは別の色で塗装しようと思っていて一旦グレーサフを塗装しました。途中で方針が変わりフレーム色で塗装し直しましたが、せっかくグレーサフを塗装してしまったのでビームキャノンのジェネレーター部分の丸いモールドをマスキングしてグレーサフの色を残してみました。グレーサフとの色の違いが分かると思います。ジャーマングレーが多めに調色されたサーフェイサーなのでかなり濃いグレーです。
下地塗装も終わったところで今度はホワイトの塗装です。ホワイトはMr.COLORの1番ホワイトをベースに調色して濃度の違う3色を塗り分けて行きます。
右からホワイトに40番ジャーマングレーを2滴加えた基本色、中央はホワイトにジャーマングレーを4滴加えた一段暗いホワイト、左はホワイトにジャーマングレーを8滴加えたほぼグレーです。
まずはジャーマングレーをほんの少しだけ入れたホワイトで白いパーツを全て塗装していきます。Mr.COLORの1番ホワイトは隠ぺい力が非常に低く、画像は3度塗りを終えた状態です。今は隠ぺい力の高いホワイトも発売されていますが、あえてこの1番のホワイトを使う理由は「手持ちの在庫があるから」です。しかも大量に…。
続いてジャーマングレーを更に足した一段濃いホワイトを太腿の後ろ側のパネルやアキレス腱の辺り、肩やフロントスカートに追加した増加装甲等にマスキングを施して塗装します。画像は塗装を終えた画像ですが、正直なところ1段目のホワイトとあまり差を感じないというのが感想です(汗)光の当たり方次第では色の差がわかりますが、本当に微妙な差異です。もう少し濃くても良かったかもしれません。
そしてジャーマングレーを多めに入れたほぼグレーなホワイトで裾の前側、上腕、下腕の一部を塗装しました。色味としては13番のニュートラルグレーよりは明るいグレーです。
塗装を終えた状態です。
足のパーツは3色で塗り分けていますが、中間のグレーがあまり分かりませんね。特に画像では全然わかりません。
今度は黄色です。4番イエローにオレンジ、蛍光イエローを少々足した色です。ピンクサフのお陰で手軽に綺麗に発色してくれました。
ファンネルの根本付近は成型色で色分けされておらず、キットには色分けの為のシールが付属しています。ここはマスキングをしてしっかりと塗り分けて行きます。
塗装後です。この黄色はグレーサフからホワイト塗装後に黄色という工程ですが、先ほどのピンクサフ下地の黄色と比べてみるとやはり色味が違います。ここはホワイト同様に同色での色味の差異を狙って意図的に色に変化を持たせています。ファンネルの基部部分はピンクサフ下地の黄色なので隣り合った時に微妙に色味の違いがわかります。
リアスカートのスラスター部分も色分けがされていないので塗り分けます。今記事を書きながら画像を見てわかりますが、右側のスラスターの右上の部分にマスキングされていない部分があります。
これが後に悲劇に…。
マスキングを剥がした状態です。
綺麗に塗り分けできましたと行く予定でしたが、失敗!はみ出してます…。
模型作りにおいて絶対に失敗してはいけない2つの事のうちの一つ「マスキングの失敗」です。
わずかにマスキングテープが貼られていなかった為にはみ出した塗料。ほんの僅かなミスの為にはみ出した塗装を剥がす必要が生じ、剥がす為に下の塗装までやり直しになります。塗装のリカバリーは時間と労力をとても使うのでマスキングは絶対に失敗してはいけないと言われる由縁です。
ちなみに絶対に失敗してはいけないと言われるもう一つは「スジボリの失敗」です。スジボリのリカバリーも手間が掛かる上にパテや瞬間接着剤等を使って修正後の部分はキットのプラ素材とは硬度が異なってしまうのでスジボリの難易度が飛躍的に上がってしまうというのが理由です。模型制作は修正の連続ですがしなくても良い修正は避けたいものです。
ちなみにリアスカートの中央にある腰基部のスジボリより下側は一段暗いホワイトで塗り分けている部分で光の加減で色の違いが分かるアングルです。
気を取り直して濃紺の部分の塗装です。今回はサフ、ホワイト、黄色と調色した塗料を使ってきましたが、私はあまり調色というものをしません。
理由としては調色による独自の色というのは捨てがたい部分もありますが、途中で塗料が足りなくなった場合は全く同じ色を作り出す事が非常に困難な事で、それを回避する為に多めに作った塗料は残って保存しておいても結局使う事が無く無駄になってしまうからです。
今回のサフやホワイトは今後も使う事があるであろうと思われる色で、黄色はEG RX-78-2ガンダムやストライクガンダムでも使用した色です。作っても今回以外使わなそうな色は極力近い色を探すか好きな色で塗ってしまうという事が多いです。
そんな訳でこのEGνガンダムの濃紺部分ですが、旧キットの説明書のカラーレシピではミッドナイトブルー+コバルトブルー少々とあり、HGUCのキットのレシピではミッドナイトブルー60%+コバルトブルー30%+ブルー10%となっています。私のイメージとしては「黒」って感じなんですが、ららぽーと福岡の実物大νガンダムのRX-93ffの青ベースもカッコいいなと思いまして、「ほとんど黒なんだけど青っぽい色」で塗装する事にしました。
そこで使用したのが326番ブルーFS15044です。非常に綺麗な色で好きな色になりました。ティターンズの機体なんかにも使用できそうな色合いです。ミッドナイトブルーも「ほとんど黒なんだけど青っぽい色」ですが、それよりも青っぽい色です。今回はνガンダムの本体部分はブルーFS15044で塗装、バックパックや武装関連はミッドナイトブルーで塗装する事としました。
ミッドナイトブルーで塗装したバックパックです。ほとんど黒なんですがスゴイ濃い青って感じでしょうか。キットでは色分けされていなかったファンネルラックの基部の黄色いラインもマスキングで塗り分けました。
ブルーFS15044とミッドナイトブルーの比較です。良い感じに色味の違いを出せたのではないでしょうか。
バーニアノズルは159番スーパーシルバーで塗装後にノズル内部を前回のEGストライクガンダムの塗装の回で紹介した「練り消しマスキング」にてマスキングした後に外側を28番黒鉄色に8番シルバーを少々加えたものを塗装しています。
脹脛のスラスター、足裏のバーニアノズルも同様にマスキングして塗装しました。
ファンネルの色分けの画像でも登場していますが、このバーニアノズルとか小さいパーツや持ち手がセットしにくいパーツはアイスの棒に両面テープでパーツを貼り付けて塗装しています。
装甲の裏側もフレームと同じくオリジナルのグレーサフで塗装しました。ショルダーアーマーの内側や脛の裾の内側等は完成後も良く見える部分なので塗り分けておくと効果が大きいです。
ようやく全てのパーツの塗装完了です。赤色の塗装の画像を取り忘れてしまいましたが、ガンダムカラーのレッド(1)で塗装しました。
ここまで来るとあと一息。
次回は筆塗りにて部分塗装、スミ入れ、デカール貼りの最終仕上げ工程です。
お楽しみに!
ライタープロフィール
- ファーストガンダムを幼少期にリアルタイムで視聴してきた世代のガンプラ好き趣味モデラー。
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